カードローン借り換えは住宅ローン借り換え時にも影響する
ローンの借り換えというと、一般的には住宅ローンのことを指す場合が多いようです。
カードローンと違い、住宅ローンは多くの人が借りるローンですからそれだけ関心を持っている人も多いわけです。自分が借りている住宅ローンよりも低金利なところがあるなら借り換えようという思いを持っている人もたくさんいるはずです。
で、いざ借り換えをしようとすると、思わぬ壁にぶち当たる場合があります。
カードローンのせいで住宅ローンの借り換えを断念
Aさんは5年前に住宅ローンを借りて35年ローンでマイホームを購入しました。
Aさんは上場企業勤務で年収も700万円近くあります。奥さんは専業主婦で子供さんが二人という、日本で住宅ローンを抱える世帯としてはまさに典型的な家族構成です。
住宅ローンを組んだ時には充分返済が可能と思っていたのですが、いざローンの支払を始めてみると、毎月ではないものの、年に何回か、家計がきついと思うときがありました。
家族旅行の時などです。
ローンの支払で家族の思い出作りがダメになっては本末転倒だと、その場しのぎでカードローンを借りたそうです。
借りたのはアコム。限度額も10万円程度だったため、金利は18%でした。
その後、住宅ローン返済も重なったこともあってか、カードローンは完済することなく時が過ぎました。延滞するわけではないのですが、完済しそうなタイミングで次の借り入れが発生するなどして、結局カードローンの限度額は80万円にまで増えていました。
住宅ローンもカードローンも返済は遅れてはいません。
そして先日、住宅ローンを別の金融機関に借り換えると金利負担が低くなるとの情報を奥さんが持ってきて、早速借り換えの相談をしました。
すると、その銀行の担当者いわく、
『消費者金融からの借り入れが増加傾向にあるので希望通りには融資できない』
とのことで、借り換えはかないませんでした。全くダメというわけでもないらしいのですが、返済期間をもっと短くするとか、金利(利率)をもう少し上げるとかそういったことをしないと借り換えは厳しいらしく、それでは借り換えする意味がないということで断念したそうです。
カードローンがあるなら留意しておくこと
カードローンの利用をしているからといって住宅ローンが通らない、借り換えできないということはありません。問題はカードローンの利用の仕方にあります。
まず大前提として、住宅ローンの借り換え審査でNGなのが延滞です。これは今更言うまでもなく、カードローンであれ、住宅ローンであれ、クレジットカードであれ、同じことです。ローン返済で延滞をしていると絶対に新たな借り入れはできません。借り換え審査も同様です。
しかし気をつけておくべきことは他にもあります。
例えば、銀行から住宅ローンを借りる場合は消費者金融からの借り入れは整理しておいたほうが無難です。
最近では消費者金融が銀行カードローンの保証会社に入ることが一般的ですから
『消費者金融=審査にマイナス』
という風潮も随分と変わってはきているようです。しかし、審査担当者の心象レベルでみるとあまり良いものではありません。
しかも、今回のAさんのように消費者金融からの借入限度額が増額傾向にあるような場合、審査時には『大丈夫かな』という不安を与えてしまいます。
そうならないためにも、カードローン、特に消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用している場合は、利用残高を減らすなどの努力をしておくことが重要です。
また、借り入れ限度額も少なくしてしておくとより安心です。借り入れ限度額は“そこまでは無条件で借金できる額”という見方ができます。つまり、限度額が100万円のカードローンであれば、100万円の借金をしているのと同じことという見方を審査時にされてしまいます。
例えば、5枚のクレジットカードを持っていてその全てに30万円のキャッシング枠を設定していた場合は、30万円×5枚=150万円の借金があるものとして審査されてしまいます。
これが理由で住宅ローン審査に通らなかったというケースも結構ありますので注意してください。限度額というのは借金額と同じと心得なくてはいけません。
また、Aさんのように消費者金融で借りている場合はより利率の低い銀行カードローンに借り換えておくことも大事です。消費者金融で借りている場合は、100万円以下だと15%~18%程度の利率で設定されていることも少なくありません。
銀行カードローンであれば、どんなに高くても14%台の利率ですし、銀行によってはさらに低い利率で借り入れすることも可能です。完済ができないのであればより低い利率のところに借り換えをしておきましょう。
以上、住宅ローンの借り換えとカードローンの借り換えについてみてきましたが、住宅ローンであれカードローンであれ、借金であることに変わりはなく、借金関連の情報も個人信用情報機関で管理されていますので、結局のところはすべてつながっているわけです。
住宅ローンの担当者にカードローンのことは秘密にしておけば、、、
というのは甘い考えです。金融機関が使っている端末を叩けば一発で過去と現在の借入状況を確認されます。いつどんな融資(カードローン、クレジットカード、銀行融資etc)を受けたのか、返済は滞りなく行われているのかといった状況です。説明を求められた時に相手にすんなり納得してもらえるような状態を常に心がけておきましょう。