カードローン借り換えとおまとめローンはどう違う?
最近はカードローンをはじめとする無担保・無保証の個人借入が手軽に行えるようになりましたが、依然として安くならないのが借入金利。
申し込みが手軽にできるため複数のカードローンを利用している方は少なくありませんが、ここで問題となってくるのが返済です。
政府のゼロ金政策の行き過ぎがマイナス金利を引き起こした昨今でも、カードローンの金利は銀行、消費者金融ともに引き下げられることはなく、依然として10%を超える高金利での貸し付けが行われています。
この金利は高いのに借り入れしやすいというカードローンの利便性は多くの利用者を生むことになりましたが、複数社からの借り入れに対する返済が発生し、支払いに苦慮することになる方が出るという不測の事態が発生しているのも事実です。
そして、これら返済の問題を抱えている方にとって、魅力的な金融商品として注目されているのが借り換えローンやおまとめローンです。
呼び名はそれぞれ違えど消費者金融や銀行から、これら金融商品の取扱いを行っているところは多くなっているので、その存在を耳にしている方も多いことでしょう。
しかし、借り換えローンとおまとめローンはどう違うのでしょうか?
言葉の意味合いからはどちらも借り換えを目的としたローン商品であることには違いありません。
よって、単なる呼び名の違いに過ぎないと考えている方も多いでしょうが、実はこれらローン商品は似てはいてもその性質は全く違っています。
そこで今回は現状にあった借り換えを行ってもらうためにも、これら2つのローン商品について詳しく説明していくことにしましょう。
借り換えローンとおまとめローンってどんなローン商品なの?
先程も申しましたが借り換えローンもおまとめローンも、現状の借金を借り換えるという点では全く同じ手段となっています。
どちらも借り換えによる低金利適用によって、毎月の返済額と総支払額の低減を図る返済手段なのです。
しかし、この2つのローン商品には下記のような違いがあります。
・借り換えローン 借金を現状の支払い金利よりも低金利のところへ借り換える
・おまとめローン 複数ある借金を1つにまとめて総支払額低減等のメリットを生む
つまり借り換えローンは1つの借金、おまとめローンは複数の借金の総支払額を低減するための返済手段というわけです。
それではこれら2つのローンをよく理解してもらうためにも、それぞれの特徴を詳しく説明していくことにしましょう。
借り換えローンについて詳しく知ろう!
借り換えローンで一番身近な金融商品として挙げられるのが住宅ローン借り換えです。
2016年1月29日に日銀がマイナス金利を導入したことにより、ただでさえ近年低金利化が顕著だった住宅ローン金利はさらなる金利の低下が促進されました。
数年前に住宅ローンを組んだケースでさえ、現在借り換えを行えば数百万円の利息を軽減することが可能となっているほどです。
この情報はニュース等で取り沙汰されているため、住宅ローンを組んでいるならば借り換えを検討している、または検討したという方は多いことでしょう。
住宅ローンは返済完了まで同一金利支払いの固定金利と、金利変動のある変動金利の2種類が選べますが、金利変動による金利高騰というリスクがあっても固定金利よりも低金利設定されている変動金利を選ぶ方が大半です。
しかし、底値とも言われている現状では固定金利と変動金利の差は縮まっており、変動金利のローンを固定金利のローンへ借り換えするチャンスと考えている方も少なくありません。
このように借り換えローンの場合、複数のローンや借金を一本化するのではなく、現状の金利よりも低金利を適用することによって、毎月の返済額と総支払額を減らすことが目的となります。
よって、低金利化が進む住宅ローンにおいて借り換えローンは、まさに高いメリットを生むことのできる返済手段と言えるでしょう。
そしてこの金利差が生み出すメリットは、カードローンに関しても同じことが言えます。
借り換えローンを利用することで下記のようなメリットを生み出すことができるのです。
・毎月の返済額を軽減できる
・最終的な返済総額を軽減できる
それではカードローン借り換えについて簡単に説明しておくことにしましょう。
①消費者金融と銀行でもこんなに金利差が!
たしかにカードローン業界は住宅ローンのように、日銀のマイナス金利導入による金利引き下げは行われてはいません。
よって住宅ローンのように驚くような利息の減額は望めません。
しかし、カードローンの取り扱い先である銀行と消費者金融には、下記のように金利にシッカリと金利差が出ているのです。
消費者金融カードローン
・プロミス 年4.5%~17.8%
・アイフル 年3.0%~18.0%
・アコム 年3.0%~18.0%
・SMBCモビット 年3.0%~18.0%
銀行カードローン
・三井住友銀行 年4.0%~14.5%
・楽天銀行 年1.9%~14.6%
・SMBCモビット 年3.0%~18.0%
消費者金融カードローンの金利よりも低金利である銀行カードローンへ借り換えすることで、借り換えローンによるメリットを実現することができます。
それでは消費者金融カードローンの金利を18%、銀行カードローンの金利を14%と仮定して、50万円を借り入れして毎月15,000円の返済を行った場合、発生する利息と元金充当額はどれくらい違ってくるのかを見てみることにしましょう。
・返済回数 1回目 返済額15,000円
(消費者金融)
・利息発生額 7,397円
・元金充当額 7,603円
・返済残高 492,397円
(銀行)
・利息発生額 5,753円
・元金充当額 9,247円
・返済残高 490,753円
・返済回数 6回目 返済額15,000円
(消費者金融)
・利息発生額 6,817円
・元金充当額 8,183円
・返済残高 452,662円
(銀行)
・利息発生額 5,209円
・元金充当額 9,791円
・返済残高 442,938円
4%の金利差が毎月約1,600円の利息差を生み、それがそのまま元金充当額に影響しています。
よって、6回の返済で返済残高には約1万円もの差を生み出しています。
これはそのまま返済回数が増えることを意味します。
しかも50万円に対して毎月15,000円の返済を行った場合、その返済回数は単純計算でも約33回を要します。
となればこれも単純計算ではありますが、この金利差が生む総支払額には約5万円もの差額が出てくるのです。
そしてこの金利差が生み出す支払利息額の差は、下記のように借入金額が大きければ大きいほど大きなメリットを生み出します。
・100万円借り入れの場合
金利18% → 18万円
金利14% → 14万円
差額 4万円
・200万円借り入れの場合
金利18% → 36万円
金利14% → 28万円
差額 8万円
・300万円借り入れの場合
金利18% → 54万円
金利14% → 42万円
差額 12万円
この支払利息差額を見れば金利差を考慮した借り換えが、いかに大きなメリットを生み出す返済手段であるかご理解いただけることでしょう。
②信用度が上がれば適用金利は低くなる
またカードローンの金利設定は年齢や年収など、様々な要因が影響してきます。
よって申し込んだ当初は年収も少なく、年齢も若く条件が伴わなかったため、満足いかない金利設定が行われることも多いことでしょう。
しかし、年月が経過して年齢や年収が十分な条件を備えるようになれば、金利引き下げが可能になることは十分に考えられます。
高い信用力を持つことによって、金利引き下げを実現することが可能なのです。
となれば現状に何の不満も持っていない方であっても、利用中であるならば借り換えローン利用を検討してみる必要はあるでしょう。
おまとめローンについて詳しく知ろう!
借り換えローンは単数の借金借り換えに限定されるため、生み出されるメリットは利息負担の軽減にのみとなります。
これに対し、おまとめローンは複数の借金を一本化するため、下記のように複数のメリットを受けることができるのです。
・金利を低く抑えられる
・毎月の返済額を軽減できる
・最終的な返済総額を軽減できる
・返済日を1日に集約できる
・返済管理がしやすくなる
・精神的負担を軽減できる
①金利を低く抑えられる
カードローンに限らず金融機関からの借入金利は、業者の提供する金利水準の高さに関係なく、高額借入ほど低金利となります。
よって、複数の借り入れを一本化するおまとめローンは高額借入となる傾向が強いため、低金利を期待できます。
現在、下記のような借り入れをしているとしましょう。
・A社 借入額100万円 金利11%
・B社 借入額100万円 金利15%
・C社 借入額 50万円 金利12%
この3社から借り入れしている総額250万円に対して、支払わなければならない利息総額は32万円となります。
しかし、この250万円という借り入れを1社から行ったとすれば、確実に低金利の適用が受けられます。
ソニー銀行カードローンを例に挙げると、250万円の借り入れに適用される金利は最低で8.0%です。
よって、支払利息は20万円となり、12万円もの利息削減が可能となってきます。
12万円となれば決して見過ごすことのできる金額ではありませんよね。
特におまとめローンは借金の一本化を目的に提供されているローン商品ですから、さらに優遇された金利適用を受けられる可能性もあるのです。
②毎月の返済額を軽減できる
おまとめローンは基本的に低金利が適用されるので、当然のことながら毎月の返済額は現在のものよりも低くなります。
しかもおまとめローンは低金利だけでなく、返済期間も最長10年と長く設定できるので、確実に毎月の返済額を軽減することが可能となってきます。
しかし、返済期間を長くすれば金利は自ずと高く設定されるため、あまりにも長い返済期間に設定するのは考えものです。
毎月の返済額は減ったが、返済期間を伸ばしたがため、最終的に以前よりも支払総額が増えてしまったという話も時折耳にします。
そうならないためにも毎月の返済額だけでなく、支払総額がどうなっているのかも確認する必要があるのです。
③最終的な返済総額を軽減できる
これも先ほどの毎月の返済額と同じです。
低金利による利息軽減が総支払額の削減に繋がります。
しかし、先ほど申しましたように、返済期間を長くして支払総額が以前よりも高額になったということにならないよう注意が必要です。
④返済日を1日に集約できる
借入先が複数ある場合、返済期日がバラバラであるケースは珍しい話ではありません。
しかし、返済日が複数あると返済日を忘れがちになり、返済の遅延を引き起こす原因となります。
度重なる遅延は金融事故として信用情報に登録されることもあるので、利用者はそうならに為にも細心の注意が必要となりますが、おまとめローンで返済日を1つに集約すればそんな心配も必要ありません。
⑤返済管理がしやすくなる
借入先が複数ある場合、最も苦労するのが返済管理です。
借り入れした時期や借入額、適用金利、借入残高など、すべてがバラバラのためかなりシッカリもので几帳面な方でもなければ、状況把握は難しくなってくるでしょう。
しかし、おまとめローンによる一本化で、これも心配する必要がなくなります。
⑥精神的負担を軽減できる
借り換えローンを利用する方は単に返済額を軽減したいという目的が多いのに対し、おまとめローンを利用する方は体重債務という状況に陥っているケースが多く見られます。
よって毎月訪れる複数の返済が精神的な負担となっている方も少なくありません。
しかし、おまとめローンならば返済は月一度に限定されるだけでなく、毎月の返済額の軽減
も図れるので精神的負担が小さくなったという声が多いようです。
消費者金融と銀行とではどう違う?
借り換えローンとおまとめローンの違いについて理解してもらったところで、これらローン商品に対する消費者金融と銀行の動向はどうなっているのかについて説明します。
これらローン商品の利用者はどうしても高額借入となる傾向があるため、消費者金融、銀行ともに積極的に展開しているとは言いづらいのが実情でしょう。
これらローン商品を積極的に提供しているのは下記の数社のみであることを考慮すれば、各業者が旨みを感じている事業でないことは明らかです。
・消費者金融⇒プロミス、アイフル、アコム、SMBCモビット
・銀行⇒東京スター銀行、三井住友銀行
とくにおまとめローンに関しては複数社からの借り入れを一本化することが目的となるため、申込者が多重債務者であることから審査が厳しいと言われる銀行では、借り換えローンはあっても、おまとめローンはないというのが実情です。
そこで最後にこれら業者の中でも、とくにおススメのおまとめローンを提供しているところを紹介しておきましょう。
消費者金融のおススメおまとめローンはコレ!
消費者金融の中でもとくにおススメなのはアイフルです。
アイフルはメガバンクの資本介入が普通となった大手消費者金融の中でも、唯一、どこからの資本介入も受けず独自資本で営業を続けている消費者金融です。
よって、他社との差別化を図るため独自商品提供を多く展開していることで大きな評価を得ています。
そのアイフルが提供するローン商品は下記の2つです。
・おまとめMAX 金利12.0%~15.0% 借入限度額500万円 返済期間最長10年(120回)
・かりかえMAX 金利12.0%~17.5% 借入限度額500万円 返済期間最長10年(120回)
ローン名称は「おまとめ」と「かりかえ」となっていますが、どちらも他社借入をアイフルに一本化するためのローン商品で、借り換え、おまとめともに利用できます。
それならば何で2つのローン商品があるのと不思議に思われる方もいることでしょう。
実は、このローン商品は過去にアイフルを利用したことがあるかどうかで、下記のように利用できるタイプが限定されます。
・おまとめMAX 過去にアイフルを利用したことがある
・かりかえMAX 過去にアイフルを利用したことがない
よって、アイフル利用者ならば2.5%も低い金利で利用できるというメリットがあるのです。
①おまとめMAXとかりかえMAXのメリットは?
それではおまとめMAXとかりかえMAXのメリットを簡単に紹介しておきましょう。
そのメリットは下記のとおりです。
・最短、即日融資が可能
・銀行カードローンと変わらない低金利(おまとめMAXの場合)
・年齢上限の設定がない
アイフルの店舗に出向く必要があるのは面倒ですが、この手の高額ローン商品で即日融資が可能なのは大きなメリットとなってくるでしょう。
また上限金利が15%というのも、銀行に比べ高金利である消費者金融の中では特記すべき点ですし、通常ローン商品は70歳以上の申し込みを断っているにもかかわらず、申し込み条件に年齢上限が設定されていないのも見逃せません。
②おまとめMAXとかりかえMAXのデメリットは?
次はおまとめMAXとかりかえMAXのデメリットです。
メリットと合わせてよく把握しておくようにしましょう。
・かりかえMAXは高金利
・追加借入ができない
・返済方法が口座振替のみ
アイフルの利用実績がない場合はかりかえMAXの利用となりますが、ネックとなってくるのが17.5%の高金利。
借入金額にもよりますが上限金利が通常の消費者金融カードローンの高金利と変わらないので、借入金額次第ではおまとめローンのメリットが生まれない可能性も懸念されます。
また消費者金融が提供するおまとめローンでは共通して言えることですが、このローン商品は返済専用ローンです。
よってカードローンのように返済に利便性を求める必要もないことから、返済方法は口座振替のみとなっています。
ほかの返済方法を用意している業者もあることを考慮すれば、借り入れだけでなく返済面でも利便性の高いアイフルにしては少々残念に思える点です。
銀行のおススメおまとめローンはコレ!
銀行の中でおススメなのは以前からおまとめローンを主力商品として取り扱ってきた東京スター銀行です。
そのローン商品はスターワンバンクローンといい、利用目的によって下記の2つに分類されています。
・おまとめローン 複数者からの借り入れを一本化したい
・のりかえローン 低金利のローンに借り換えしたい
しかし、どちらも借り換えという点においては同じ利用法となるので、実際のところはどちらを選んでもOKというのが実情です。
その点においては、下記のように適用金利の違いが利用者にとってどう影響するのかが、まずは重要なポイントとなってきます。
・おまとめローン 金利5.8%~14.8%
・のりかえローン 金利7.8%~9.8%
おまとめローンは複数社の一本化が目的のため高額借入を想定して下限金利が低く設定されていますが、のりかえローンはその目的はないため2%も高くなっています。
しかし下限金利いっぱいの設定が適用される程の借入額になることは稀有ですから、通常は10%を切る上限金利が設定されているおまとめローンを利用する方が受けるメリットは大きいでしょう。
①おまとめローンのメリット、デメリット
それではまずおまとめローンのメリットについて説明します。
そのメリットは下記のとおりです。
・追加借入が可能
・借入限度額が大きい
・預金連動による金利軽減
消費者金融のおまとめローン商品は大半が返済専用となっているので、追加借入することはできません。
その点、この東京スター銀行のおまとめローンは契約時に利用限度枠が設定され、ローン残高が利用限度額を下回った時点でその対象額を借り入れできます。
「利用限度額30万円以上~300万円以下」で「ローン残高250万円」ならば、新たに50万円の借り入れをすることが可能です。
この点は消費者金融のおまとめローンとの大きな差別化ポイントとなってくるでしょう。
また借入限度額が最高1,000万円というのも、おまとめローンとしては十分な金額設定と言えます。
そして見逃せないのが預金連動です。
東京スター銀行の指定口座に預金があれば、その預金分の利息負担が免除となります。
300万円借り入れして、口座に50万円の預金があれば、実質金利がかってくるのは250万円となるわけです。
東京スター銀行をメインにしていたり、定期預金を組んでいる方にとっては大きなメリットとなってきます。
しかし、おまとめローンには下記のようなデメリットもあります。
・借り入れまでに時間がかかる
・審査が厳しい
・返済手段が東京スター銀行の口座振替のみ
融資までには最短でも2週間の日数が必要となり、即日融資が可能なアイフルと比べれば遅すぎる感は否めません。
また融資までの時間が長いのは審査が厳しい証拠でもあり、申し込み資格も下記のように厳しく、審査通過できないケースも多々あるようです。
・満20歳以上~65歳未満
・正社員、または契約社員であること
・年収200万円以上
・パート、アルバイト、自営業者は申込不可
またアイフル同様に返済方法が同行の口座振替のみというのも利便性にかけるでしょう。
②のりかえローンのメリット、デメリット
のりかえローンのメリット、デメリットは先に説明したおまとめローンと全く同じです。
しかし、先程説明したようにおまとめローンよりも上限金利が低いという点は、大きなメリットとなってくる方は多いでしょう。
ですがこの上限金利を狙って申し込んだとしても、審査でおまとめローンが適用される結果になるケースも少なくありません。
審査の結果内容によりますが、この点はよく理解しておきましょう。