カードローン借り換えで即日融資は可能か?
近年は銀行のカードローンへの参入により、低金利のカードローン利用が可能となり、カードローンのイメージも大きく変わってきました。
カードローンといえばスピード審査で即日融資可能と、融資までの早さには定評がありましたが、いかんせん扱っているところが大手消費者金融ということもあり、金利面では高いという印象は拭うことはできませんでした。
しかし、低金利に定評のある銀行カードローンの登場によって、さほど気にしていなかった金利面に目を向ける方が増えてきたのです。
そこで近年、消費者金融等で人気商品となってきたのが借り換えローン。
現在利用しているものよりも低金利のものへ乗り換えることによって、毎月の返済や支払い訴額を減額することが可能になります。
よって、この金利差にあやかって支払いの減額を計画する高額借入者が増加しています。
そこで気になってくるのがカードローン借り換えで即日融資は可能なのかという点です。
高額借入の返済に切羽詰まった方は、数日後、もしくは当日の借り換えによって支払いを済ませたいと考える人もいることでしょう。
今回はこの点に焦点を絞って、カードローン借り換えは即日融資可能なのかを検証して行くことにしましょう。
カードローン借り換え審査は甘くない!
即日融資可能かどうかを判断する際に、まず一番影響を与えることになるのが審査です。
なにはともあれ、この審査を通過しないことには即日融資もなにも、借り換えすることすらできません。
よって、まず理解しなければならないのはカードローン借り換えの審査がどうなのかという点です。
審査は借入額が大きいほど厳しくなる
カードローン限らず、金融機関からの融資実行は金額が大きくなるほど難しくなります。
これは普通に考えれば当然の話で、高額な借り入れほど返済能力と信頼度の高さが求められるからです。
基本的に消費者金融であれ銀行であれ、その収入源は融資した金額が生み出す利息となるため、できるなら高額貸付を行いたいと考えています。
しかし、誰にでも高額貸付できるわけではありません。
必ず返済してくれるという保証、つまりはそれに足る返済原資と信頼度がなければ安心して貸付することができないからです。
となれば消費者金融が掲げる即日融資に対応できるような短時間審査では、結論は出ないと断言できるでしょう。
①消費者金融の即日融資可能な金額は50万円まで!
即日融資を掲げる消費者金融でも、貸付金額に関係なく実行できるわけではありません。
基本的に消費者金融カードローンは本人確認書のみで審査を受けられますが、下記の場合には収入証明書の提出が必要になります。
・借入限度額が50万円を超える場合
・今回の借り入れで、借入総額が100万円を超える場合
つまり、50万円を超える貸付になる場合は提出書類が増える事になるため、その分、審査にかける時間も長くなるというわけです。
また他社借入があり、総額で100万円を超える場合はさらに審査は慎重に行われることとなります。
高額となる借り入れに対して返済できるだけの返済原資(年収)はあるか、返済してくれるという確証を持てるだけの信頼度はあるかが慎重に審議されることになるため、まず即日融資が実行されることはないでしょう。
以上のように即日融資が可能かどうかは、基本的にそれが簡単に判断できる50万円以下の少額借入に限定されているのが実情なのです。
現在の借り入れが50万円以下で、現状よりも低金利のところに借り換えたいというのであればまだ可能性はあると言えます。
しかし、通常でも審査が厳しくなる50万円を超える借り換えにおいては、難しいと言わざるを得ません。
基本的には即日融資を掲げる消費者金融でも、高額なカードローン借り換えの即日融資は難しいと考えた方がいいでしょう。
②銀行でのカードローン借り換えの即日融資は期待できない
即日融資といえば消費者金融カードローンの代名詞のように思われていますが、銀行カードローンでも対応しているところは数行あります。
かつてはメガバンクでも即日融資対応を謳っていました。
当時、よくある即日融資を受けるための条件は下記のようなものです。
・13時30分までに申し込みを完了していること
・指定口座を持っていること
・ATM(契約機)でカード発行が受けられること
消費者金融でも似たような感じですが、銀行カードローンで即日融資を受けるにも、それなりの条件をクリアする必要があるのです。
もちろんこの条件をクリアできたからといって、必ず即日融資が受けられるわけではありません。
消費者金融同様に審査は高額借入ほど厳しくなってきます。
よって借入希望額によっては、この条件をクリアしても審査に時間が掛かり、即日融資ができなかったとなる可能性は高いと言えます。
となれば基本、即日融資に対応しているところが極小数の銀行でカードローン借り換えの即日融資を受けるのはまず無理と考えておいた方がいいでしょう。
借り換え額によっては即日融資の可能性はあるの?
先程説明でカードローン借り換えで即日融資の可能性は低いことはご理解いただけたことでしょう。
しかし、説明の中でもあったように借り換え額が少額であればその可能性は全くないわけではありません。
そこで借り換え額を下記の3つに分類して、消費者金融と銀行における即日融資の可能性を探っていくことにしましょう。
合わせて借り換えのメリットがあるかないかについても言及しますので、参考にしていただければと思います。
・100万円未満の少額を借り換える場合
・100万円以上の高額を借り換える場合
100万円未満の少額を借り換える場合
①消費者金融での借り換え
まずは消費者金融での借り換えの可能性です。
消費者金融においては少額の借り換えならば十分に即日融資の可能性は見込めるでしょう。
よって100万円未満の借り換えであれば、下記の条件をクリアすることで即日融資の可能性は期待できます。
・今までの返済において遅延や延滞がなく、健全な返済が行われている
・借り入れが借り換えに限定されるもので、その金額が年収の3分の1以内である
・勤続年数が3年以上で、継続して安定した収入が見込めると判断できる
しかし、この場合の借り換えは決してメリットのあるものとは言えません。
利息制限法では利息の上限金利を20.0%と定めているだけではなく、下記のように借入金額を3段階に分類し、それぞれに上限金利を定めています。
借入金額10万円未満 | 上限金利20.0% |
借入金額10万円以上~100万円未満 | 上限金利18.0% |
借入金額100万円以上 | 上限金利15.0% |
金利が高いことで知られる消費者金融においては、下記のアコムのように適用金利に幅を持たせてはいますが、借り換えの場合には利息制限法に定められた上限金利が適用される確率が高いのが実情なのです。
(アコム適用金利)
1万円~99万円未満 | 適用金利7.7%~18.0% |
100万円~300万円 | 適用金利7.7%~15.0% |
301万円~500万円 | 適用金利4.7%~7.7% |
501万円~800万円 | 適用金利3.0%~4.7% |
カードローンは定期的に借り入れを行い、健全な返済を繰り返せば信用度が上がり金利の見直しが行われて金利が下がることはありますが、初回利用時には上限金利が適用されるのが一般的です。
よって100万円未満の上限金利が適用されるであろう消費者金融への借り換えは金利差を生むことが期待できないため、借り換えしてもメリットを生むことはありません。
大手消費者金融の上限金利設定を見てみましょう。
・アコム 18.0%
・プロミス 17.8%
・アイフル 18.0%
・SMBCモビット 18.0%
またプロミスは借り換え専用ローンとして「かりかえMAX」という商品がありますが、その上限金利にしても通常金利よりも少し低い17.5%です。
現状18.0%の金利で90万円を借入しているとして、この中で1番上限金利の低いプロミスに借り換えした場合の利息差は下記のとおりです。
・金利18.0% 利息162,000円
・金利17.5% 利息157,500円
その差はたった4,500円にしかなりません。
即日融資の可能性はあるにしてもメリットのない借り換えとなるため、時間と労力を考えれば徒労に終わる無駄な借り換えとなってしまいます。
よって借り換えという目的においては必要性がないと言えるでしょう。
②銀行での借り換え
借り換えメリットの点においては消費者金融の場合とは異なり、ある程度のメリットを生むことが可能です。
消費者金融の上限金利は18.0%が適用されることが大半ですが、銀行の場合は下記のようにそれよりも低金利の適用が受けられます。
・三菱UFJ銀行 年14.6%
・イオン銀行 年13.8%
・楽天銀行 年14.5%
よって現状18.0%の金利で90万円を借入しているとして、この中で即日融資の可能性がある三菱UFJ銀行に借り換えした場合の利息差は下記のとおりです。
・金利18.0% 利息162,000円
・金利14.6% 利息131,400円
その差は先ほどの消費者金融の時より断然多い30,600円となります。
この利息減額が時間と労力をかけてまでメリットがあるものと取るかどうかは個人の判断にもよりますが、まずメリットがあると考えられます。
しかし、肝心の即日融資に関しては可能性がないわけではありませんが、先程説明したように消費者金融カードローンのような高い確率で融資実行されるとは言えません。
最近では銀行も収入証明書の提出が消費者金融と同じ50万円、中には額に関係なく必須としているところも出てきています。
よって、50万円を超える借り換え案件の場合、申込者の属性と信用情報がよほどいいものでもない限り、審査は長引くと考えておいた方がいいでしょう。
100万円以上の高額を借り換える場合
①消費者金融での借り換え
されではまずは先程と同じように消費者金融での借り換えの可能性です。
100万円を超えれば金利の高い消費者金融でも、利息制限法の上限金利設定の兼ね合いから、15.0%の金利が適用されることになります。
よって18.0%の金利適用で100万円の借り入れをしている場合、下記のように利息メリットを生み出すことができます。
・金利18.0% 利息180,000円
・金利15.0% 利息150,000円
その利息差は先ほどの100万円未満を銀行に借り換えしたほどのものではありますが、まずメリットはあると言えるでしょう。
しかも借り入れが200万円であれば下記のようにさらに利息差は大きくなります。
・金利18.0% 利息360,000円
・金利15.0% 利息300,000円
利息に及ぼす金利差の影響は借入額が大きければ大きいほどメリットを生み出すこととなるため、借り換え金額が大きいほど大きなメリットを生み出します。
よって100万円を超える借り換えの場合は、消費者金融であってもメリットは生まれると断言できます。
しかし、消費者金融は高額なカードローン借り換えを嫌う懸念も持っておいたほうがいいかもしれません。
それはアコムやプロミス、アイフルなど大手消費者金融が借り換え専用ローンを提供しているにもかかわらず、積極的にPRしていないからです。
しかも、下記に記したアコムの借り換えローンの条件を見てみても、利便性の高さで知られる消費者金融らしくない対応が見て取れます。
・申し込みは電話のみ
・契約は店頭もしくは無人契約機のみ
・提出する必要書類が多岐に及ぶ
・通常のカードローンよりも商品スペックが悪い
これは低金利で収益性の低い商品に力を入れるよりも、申込者が多く高金利で収益性の高い通常のカードローンを販売したいという表れとも言えるでしょう。
また上記の条件を見てもらえればお分かりでしょうが、即日融資に必要なWEB申込や、提出書類の単一化も望めないため、端から即日融資は無理であることが見て取れます。
よって即日融資を狙って消費者金融にカードローン借り換えを申し込んでも、徒労に終わる可能性が高いと考えられます。
②銀行での借り換え
借入金額が100万円以上と高額になるため、借り換えメリットの点においては消費者金融を遥かに凌ぐメリットを生み出すことが可能です。
銀行の中には東京スター銀行のように以前から借り換えローンを積極的に販売しているところもあり、その金利も下記のように群を抜いて低い設定が可能となっています。
・東京スター銀行スターワンバンクローン/のりかえローン
金利 7.8%~9.8%
最大限度額 1,000万円
よって先程と同じように18.0%の金利適用で100万円の借り入れをしている場合、上限金利が適用されたとしても、下記のように大きな利息メリットを生み出すことができます。
・金利18.0% 利息180,000円
・金利9.8% 利息98,000円
そして借り入れが200万円であれば下記のようにさらに驚く利息差を生み出します。
・金利18.0% 利息360,000円
・金利9.8% 利息196,000円
利息差が164,000円ともなれば、借り換えして大きなメリットがあったと胸を張って言えるでしょう。
しかし、100万円を超える借入れとなるため、いくら借り換えといっても即日融資に関しては絶対に不可能と断言してもいいでしょう。
審査時間に関しては、高額借入に対して即日融資を謳っているところはなく、慎重に時間をかけて審査が行われるのが一般的です。
借り換えローンを商品販売している東京スター銀行でも、審査が厳しく時間がかかるのがデメリットと言われています。
よって100万円を超える借り換えを銀行で行うには十分なメリットを生み出すことができますが、即日融資に関しては期待できないと考えておきましょう。
借り換えよりも今借りているところでの増額を検討してみる方が・・・
以上のように借り換えでの即日融資は基本的には期待できませんが、乗り換える金額や乗り換え先によっては、大きなメリットを生み出すことができます。
しかし、乗り換え検討をする前に、まず試して欲しいのが現在の借入先での金利交渉です。
カードローンは何も申し込んだ時の条件がそのまま継続されるわけではありません。
定期的に借り入れを行い、健全な返済を行っていれば借入先への信頼度が高まり、借入限度額の増額が可能となってきます。
これは借入先から打診されることもありますが、利用者から申し込むことも可能です。
借入限度額が上がれば当然、金利の引き下げも期待できます。
また申し込み当初は信頼度が高くないため、上限金利が適用されることが一般的ですが、信頼度が上がれば借入金額に対して妥当な金利適用が受けられるようになります。
よって、先ほどの東京スター銀行のように大幅な金利引き下げを望むのではない場合、特に金利差があまり影響しない少額借り入れの場合は、まずは利用先に金利引き下げの交渉をしてみるのもおススメな方法と言えるでしょう。
この方法が一番手間や時間をかけずに支払利息を減額する方法となってきます。
ある程度、借入れと返済の実績を積み重ねたら、まずは現在の借入先に条件交渉を行って見るようにしましょう。