カードローンの借り換え~増額か他社新規か
今使っているカードローンの借入限度額がいっぱいになってこれ以上借り入れできない。
そんな状況に直面している方は珍しい話ではありません。
そんな時に今流行りのカードローン借り換えをして、低金利とした上にさらに追加融資を受けようと考える方もいることでしょう。
確かにこの方法は賢い方法とも言えるのですが、実は借り換えを行うと以降の新規借入がしづらくなるというデメリットが存在します。
よって、できるならば現状の返済を進めて融資枠を再度作るのが一番賢い方法とも言えるのです。
しかし、そうも言っていられないという方もいることでしょう。
そこで今回はそんな場面に直面した時に、借り換え以外でどう対応すればいいのかを詳しく解説していきます。
借り換えローンは返済専用のものがある!
借り換え専用のローンにすれば金利も下がって、新規融資も受けられるなんて考えている方は大きな勘違いです。
商品名に『借り換え』とか『おまとめ』と名のつくローンは、基本的には返済目的のローンとなります。
よって、借り換えできたとしても新規融資が受けられる可能性は少なく、返済専用ローンを組むと考えておいた方がいいでしょう。
追加融資を受けるにも条件が・・・
借り換えローンを扱っているカードローン業者で、追加融資を認めているのは東京スター銀行などの一部銀行カードローンだけです。
しかも、新規融資を受けるには設定された利用限度額を切った時からとなっています。
実際、追加融資を認めている東京スター銀行の追加融資条件を見てみましょう。
東京スター銀行の借り換えローンはスターワンバンクローン・のりかえローンという名称で、契約時には下記のように利用限度額と借入限度額の設定が行われます。
・借入限度額
30万円以上~1,000万円以下
・利用限度額
50万円以上~300万円以下
この2つの限度額の違いは、
◯借り換えとして借り入れできる額が借入限度額
◯借り換え後の借入可能額が利用限度額
という意味です。
つまり借り換えで500万円の借り入れをした場合、追加融資が受けられるのは借入残金が300万円を切った状態からということで、追加融資を受けるには借入残高が利用限度額を下回っている時だけです。
よって、借入残高が290万円になれば10万円、200万円なら100万円の借り入れが可能となります。
このように追加融資を受けるにも条件が設定されていることを見れば、借り換えローンは基本的には返済目的のローン商品であることがお分かりいただけるでしょう。
審査は決して甘くない!
しかも借り換えローンの審査は甘くなく、むしろ厳しいものとなってきます。
いま紹介した東京スター銀行のスターワンバンクローン・のりかえローンに至っては、融資実行までに1ヶ月という銀行の企業融資並みの時間が必要になることも珍しくありません。
融資実行までに時間がかかるということは、それだけ審査が慎重に行われている証拠で、審査基準は厳しく、審査難易度が高いことを意味します。
事実、東京スター銀行の借り換えローンはスターワンバンクローン・のりかえローンの申込条件には「年収200万円以上の方」という年収条件が織り込まれています。
通常のカードローンにこうした年収条件が記載されていることは稀で、普通のカードローンよりも厳しいものであることがお分かりいただけるでしょう。
よって申し込んだとしても待たすだけ待たされて、審査に通らなかったということも出てくるのです。
借り換え情報があれば新規申込が通りにくくなる
あとおまとめローンなどへの借り換えを行った場合のデメリットとして、他社への新規申込が通りにくくなるというデメリットが挙げられます。
これは現状の返済に窮したため、借り換えを行ったと判断されるケースがあるからです。
現状の支払いが困難な状態の人に、それ以上の貸付をするところなんてありはしませんよね。
これは年収やほかの条件も加味されるので一概にそうだとは言い切れませんが、その可能性は確実に高くなってくるでしょう。
借り換え専用ローンは返済目的以外に利用するな!
借り換えローンは現状よりも低金利で借り換えすることで、毎月の返済額を軽減して返済を進めることが目的です。
現状の返済が厳しいなと感じたのであれば、十分に利用する価値はあるでしょう。
しかし、追加融資を目的に借り換えローンを利用するのであれば、今回解説したことからもデメリットとなることが多いのが事実です。
よって、返済軽減を目的としない借り換えローンの利用はおススメすることはできません。
この点はよく理解しておくようにしましょう。
借り換えローン利用以外のおススメの方法
それでは借り入れ枠がいっぱいになった場合、まだ借り入れしたいという場合にはどうすればいいのでしょうか?
そんな時におススメなのが下記の方法です。
・既存の借入先で増枠
・他社へ新規借入を申し込む
それではこれら2つの方法について解説していきましょう。
既存の借入先で増枠
カードローンの初回申込時には50万円を超える借入限度額を希望しない限り、最高で50万円、通常では30万円の借入限度額が設定されるのが一般的ですが、この借入限度額は続枠することができます。
借入限度額の増枠は契約後に定期的な借り入れと確実な返済を行っていれば、カードローン業者への返済能力と信頼度の評価が高くなるので増枠することができます。
よって、借入限度額いっぱいの借り入れをした際に、新たな借入方法を模索するならば、まずはこの借入限度額の増枠ができないかを検討してみるべきでしょう。
借入額の増枠に必要な3つの条件
借入額の増枠には審査が必要になってきます。
増枠はカードローン業者から打診されることもありますが、その際にも審査通過が必要になります。
その審査に通過するために必要な条件は下記の3つです。
1.収入状態に変化があるか
2.返済状況に問題はないか
3.契約期間をクリアしているか
それではこれら条件内容を見ていくことにしましょう。
1.収入状態に変化があるか
借入額の増枠審査でまず確認されるのが年収です。
増枠するということは現状よりも大きい借り入れをすることになります。
となれば返済できるだけの返済原資となる年収の状況が、重要な判断ポイントとなってきます。
以前は銀行カードローンには総量規制が適用されないため、消費者金融カードローンのように借入上限額が年収の3分の1までと決められていませんでしたが、過剰貸付が問題視されたことから銀行も総量規制を1つの借入上限額の目安とする動きが出ています。
よって、増枠に対して年収が3分の1を超えるものでないのかが、まず1つの判断基準となってくるでしょう。
また申込時よりも年収が増えているなら、それだけ返済能力が高くなったことを意味するので、審査には大きなプラスポイントとなってくるでしょう。
しかし、逆に年収が減っているようならば審査ではマイナス評価となってしまい、増枠審査に通らない可能性も出てきます。
これは年収の大きさも影響してきますが、決してプラス評価にはならないということを覚えておきましょう。
2.返済状況に問題はないか
増枠審査で一番注意してもらいたいのが返済状況です。
これから貸付額を増枠しようという人が、返済にだらしないとしたらどうでしょう。
度々の遅延や延滞があれば信用度は落ち、返済能力も低いと判断されてしまい、増枠審査に通ることはありません。
毎月確実に返済されていることこそが返済能力と信用度が高いと判断できる証拠となるので、増枠してもいいと判断する必須ポイントとなってきます。
ここで返済状況に難有りと判断されれば、増枠の可能性はなくなってしまいます。
そうならないためにも毎月の返済は約定日に確実に行うよう心がけるようにしましょう。
3.利用期間をクリアしているか
増枠が認められるのは利用者の返済能力と信用度が高いと判断された時点です。
よって、そう判断するためには、ある程度の利用期間が必要になってきます。
増枠可能となる期間はカードローン業者によって違っており、3ヶ月というところもあれば半年というところもあります。
しかし、確実にとなれば利用期間が1年を過ぎたくらいが目安となってくるでしょう。
ですがよく理解しておいてもらいたいのは、ただ単に時間が経過すればいいというわけではありません。
先に申しましたように、返済状況に問題がないことが条件となってきます。
利用期間中に確実な返済が行われていることが、カードローン会社に対する信用の礎となり、増枠審査を通過することができるのです。
増枠の方が新規借入を増やすよりもお得!
これは特に高金利の消費者金融カードローンに言えることなのですが、いくつもカードローンを持つよりも、1つのところから高額借入をした方がメリットは高くなります。
消費者金融カードローンの場合、50万円の借り入れをした際の適用金利は上限金利の18.0%となるのが一般的です。
よって消費者金融カードローン2社から50万円の借り入れをすれば、それぞれの適用金利は18.0パーセントとなります。
しかし、この総額100万円を1社の消費者金融カードローンから借り入れした場合、ほぼ確実に金利は15.0%あたりにまで引き下げられるのです。
これは金利の上限を規定している利息制限法が大きく関係しています。
利息制限法では借入額に応じて、下記のように上限金利が規定されているので、100万円の借り入れとなれば否応なしに金利引き下げをしなければなりません。
借入額10万円未満 | 上限金利20.0% |
借入額10万円以上~100万円未満 | 上限金利18.0% |
借入額100万円以上 | 上限金利15.0% |
賢く金利適用を受けるためにも新規借入先を増やすより、1社で増枠したほうがメリットが高くなってくるのです。
他社へ新規借入を申し込む
増枠審査が通過しなかった場合、次に考えられるのが他社への新規申し込みです。
今では複数のカードローンを所持している方は珍しくないので、増枠が叶わなかった場合や、必要な増枠が受けられなかった場合には有効な方法となってきます。
しかし、他社申込時の審査は借入件数に応じて厳しいものとなってきます。
新規借入の審査通過に必要な2つの条件
他社借入があったとしても、新規借入をすることは可能です。
しかし、全く借り入れがない場合と、そうでない場合とでは審査基準は違ってきますし、審査は慎重に行われることになります。
よって、借入状況によっては、新規申込をしても審査通過とならないケースも出てくるのです。
その審査に通過するために必要な条件は下記の2つです。
2.返済状況に問題はないか
それではこれら条件内容を見ていくことにしましょう。
1.十分な返済余力はあるか
これは先ほどの増枠時と同じなのですが、申込者には新規借入によって増える借入返済をするだけの十分な収入があるかがまず重要なポイントとなってきます。
他社借入が1件だとすれば返済余力も十分にあるケースが多いのですが、他社借入が複数ある場合には返済余力が問題視されるケースが多くなってきます。
先程も申しましたが今は消費者金融カードローンだけでなく、銀行カードローンも総量規制の年収3分の1という貸付上限額を1つの審査通過目安としているので、今回の新規借入によって借入総額が年収の何割に相当するかが一番の問題となってくるのです。
年収1,000万円で3社からの借入合計が200万円だったとしましょう。
これならばまだ借入額が3分の1に達していないので、十分に審査通過の可能性はあります。
しかし、同じ借り入れでも年収が600万円だとしたら、現段階で借り入れが年収の3分の1となっているため、新規申込をしても銀行カードローンでも審査通過は難しいでしょう。
年収1000万円の人
1000万円×1/3≒333万円
333万円-200万円=133万円
133万円まで法律上は可能
年収600万円の人
600万円×1/3=200万円
200万円―200万円=0円
消費者金融の場合、総量規制により新規の借入は確実に不可。
消費者金融カードローンは総量規制に触れるので確実にアウトです。
よって、申し込む際には現状の借り入れが年収の何割に当たるのかを、まず自分で確認してみることが必要になります。
3分の1に達している、もしくはそれに近い借り入れがある場合はまず審査通過は難しくなるので、返済を進めてからの申し込みをおススメします。
2.返済状況に問題はないか
これも先ほどの増枠と同じです。
新規申込者の年収が300万円で、借入先は1社のみの借入額50万円ならば数字上では十分に審査通過することは可能です。
しかし、既存の借り入れ先で返済状況に問題があれば、新規申込をしても審査を通過することはないでしょう。
他社の返済状況は審査時に取り寄せられる個人信用情報で確認できます。
この信用情報はあらゆる金融申込時に利用され、個人の信用取引情報が網羅されているので、他社情報といえども閲覧することができるためごまかしがききません。
遅延や延滞の情報は問題が解決してから5年間保管されます。
よって、この情報が消去される5年間はどこに申し込みしても、審査通過は難しい状況となるでしょう。
審査通過のためには返済状況に問題がないことがマストの条件となってくるので、くれぐれも確実な返済を心がけるようにして下さい。